Calc マクロ

概要

Calc マクロ は、数式を計算して結果を返すマクロです。
四則演算だけでなく、様々な数学関数もサポートしています。

構文

<!calc=数式>

パラメータ

パラメータ	説明
数式	計算したい数式

戻り値

計算結果を返します。
数式にエラーがある場合は、マクロがそのまま残ります。

サポートする演算子と関数

演算子

演算子	意味	優先度	例	数式	結果
+	加算	1	2+3	$2 + 3 = 5$	5
-	減算	1	2-3	$2 - 3 = -1$	-1
*	乗算	2	2*3	$2 \times 3 = 6$	6
/	除算	2	6/3	$\frac{6}{3} = 2$	2
**	べき乗	3	2**3	$2^3 = 8$	8
( )	括弧	4	(2+3)*4	$(2 + 3) \times 4 = 20$	20

数学関数

関数	意味	例	数式	結果
sqrt	平方根	sqrt(9)	$\sqrt{9} = 3$	3
sin	正弦	sin(45)	$\sin(45)$	0.8509...
cos	余弦	cos(45)	$\cos(45)$	0.5253...
tan	正接	tan(45)	$\tan(45)$	1.6197...
asin	逆正弦	asin(0.5)	$\sin^{-1}(0.5)$	0.5235...
acos	逆余弦	acos(0.5)	$\cos^{-1}(0.5)$	1.0471...
atan	逆正接	atan(1.5)	$\tan^{-1}(1.5)$	0.9827...
abs	絶対値	abs(-5)	$\lvert -5 \rvert = 5$	5
round	四捨五入	round(1.5)	$\text{round}(1.5) = 2$	2
floor	切り捨て	floor(1.9)	$\lfloor 1.9 \rfloor = 1$	1
ceil	切り上げ	ceil(1.1)	$\lceil 1.1 \rceil = 2$	2
log10	常用対数	log10(100)	$\log_{10}(100) = 2$	2
log2	二進対数	log2(8)	$\log_{2}(8) = 3$	3
rand	ランダム値	rand()	$0 \leq x < 1$	0～1の小数

備考

rand() は 0 以上 1 未満のランダムな小数を返します。
特定の範囲の整数が必要な場合は、floor(rand()*範囲)+最小値 のように計算します。

使用例

基本的な計算

シンプルな四則演算を行います。

/execute as @a run scriptevent capi:tell 2 + 3 = <!calc=2+3>

出力例:

2 + 3 = 5

計算式: $2 + 3 = 5$

括弧を使った計算

括弧を使って計算順序を制御します。

/execute as @a run scriptevent capi:tell (2 + 3) × 4 = <!calc=(2+3)*4>

出力例:

(2 + 3) × 4 = 20

計算式: $(2 + 3) \times 4 = 20$

スコアを使った計算

スコアの値を計算に使用します。

/execute as @a run scriptevent capi:actionbar 合計: <!calc=<!score=a>+<!score=b>>

出力例（a=10, b=20の場合）:

合計: 30

計算式: $a + b = 10 + 20 = 30$

数学関数の使用

平方根を計算します。

/execute as @a run scriptevent capi:tell √9 = <!calc=sqrt(9)>

出力例:

√9 = 3

計算式: $\sqrt{9} = 3$

絶対値の計算

マイナスの値を絶対値に変換します。

/execute as @a run scriptevent capi:tell |<!score=money>| = <!calc=abs(<!score=money>)>

出力例（money=-100の場合）:

|-100| = 100

計算式: $\lvert -100 \rvert = 100$

ダメージ計算

攻撃力と倍率からダメージを計算します。

/execute as @a run scriptevent capi:actionbar ダメージ: <!calc=<!score=attack>*<!score=critical>/100>

出力例（attack=50, critical=150の場合）:

ダメージ: 75

計算式: $\frac{50 \times 150}{100} = 75$

ランダム値の生成

ランダムな小数（0～1）を生成します。

/execute as @a run scriptevent capi:tell ランダム値: <!calc=rand()>

出力例:

ランダム値: 0.7234

計算式: $rand()$ は 0 以上 1 未満のランダムな小数

ダイスの目（1～6）を生成

rand() を使って 1 から 6 までのランダムな整数を生成します。

/execute as @a run scriptevent capi:tell ダイスの目: <!calc=floor(rand()*6)+1>

出力例:

ダイスの目: 4

計算式: $\lfloor rand() \times 6 \rfloor + 1$ は 1 から 6 までのランダムな整数

距離の計算

座標から距離を計算します。

/execute as @a run scriptevent capi:tell 距離: <!calc=sqrt(<!score=dx>**2+<!score=dy>**2+<!score=dz>**2)>

出力例（dx=3, dy=4, dz=0の場合）:

距離: 5

計算式: $\sqrt{3^2 + 4^2 + 0^2} = \sqrt{9 + 16} = \sqrt{25} = 5$

小数点の利用

Calc マクロでは小数を直接使用できます。

小数	数式	結果
0.5	$0.5$	0.5
0.25	$0.25$	0.25
0.125	$0.125$	0.125

変数からの移行

以前の変数構文からマクロ構文への変更:

旧構文（変数）	新構文（マクロ）
{calc:2+3}	<!calc=2+3>
{calc:sqrt(9)}	<!calc=sqrt(9)>

移行のポイント

旧構文の {calc:数式} は新構文の <!calc=数式> に置き換えます。
コロン（:）がイコール（=）に変わることに注意してください。
また、括弧や数学関数のサポートが追加されています。